ギターやピアノで「なんかいい感じ」のフレーズが弾けた。でも、それが何というコードなのかは分からない。しばらくして弾こうとすると、もう思い出せない——。
弾ける人ほど、この「指は覚えているのに、名前は知らない」状態になりがちです。ここを埋めるのが、自分の演奏を録音してコードに翻訳するという方法です。
自分の演奏をその場で録音すれば、コードだけでなくキーや理論構造まで自動で分かります。さらに作成モードに送れば、理論に沿った次のコードの提案で、思いつきを一曲に育てられます。
「録るだけ」では足りない理由
思いついた演奏を残す方法はいくつかありますが、多くは「音は残っても、コードは分からない」で止まります。
| 方法 | 音が残る | コードが分かる | 作曲に発展できる |
|---|---|---|---|
| 覚えておく | ✕ | ✕ | ✕ |
| ボイスメモに録る | ○ | ✕ | ✕ |
| 耳コピで自分で当てる | ○ | △(理論と時間が要る) | △ |
| アプリで録音して検出 | ○ | ○ | ○ |
ボイスメモは音を残せますが、後から聴いても「このコード何だっけ」は解決しません。録音してそのままコード・キー・理論に翻訳できれば、「弾く → 分かる → 使える」が一本でつながります。
OtoTheory で自分の演奏を録音する
OtoTheory のコード検出(Get Chords)には、その場で演奏を録る「録音」があります。解析は端末内で完結し、音声はどこにもアップロードされません。
手順1:「録音する」を選ぶ
コード検出を開き、「楽曲ファイルから選ぶ」の下にある「録音する」を選びます。弾き語り、ギターのリフ、ピアノで思いついたコード進行——どれでも録れます。
手順2:テンポとカウントインを設定する
録音前にテンポガイド・テンポ・拍子を設定できます。テンポガイドを ON にすると、クリックに合わせて弾けるので、ビートとコードの検出精度が上がります。
手順3:カウントインに合わせて弾く
録音を始めると 3・2・1 のカウントインが鳴り、続けて録音が始まります。クリックの拍に合わせて、コードをはっきり弾きましょう。
手順4:止めると、コード・キー・セクションが出る
録音を止めると、端末内で自動解析が走り、コード進行・キー・セクションが表示されます。
ぴったり合わない箇所は手で直せます。
- コードの打ち直し
- 拍タップでビートを合わせる
- テンポ ×2 / ÷2・拍子の変更
コードだけじゃない — キー・理論、そして作曲へ
録音でいちばん強いのは、「コードが出て終わり」ではないところです。弾いた音が、理論の言葉に翻訳され、次の作曲につながります。
- キーと理論分析:コード名だけでなく、曲のキー、各コードの度数と機能(トニック/サブドミナント/ドミナント)まで自動で分析されます。「なぜこの響きが良かったのか」が理論で見えます。
- 理論が分かれば、改善できる:進行の仕組みが見えると、「ここはドミナントで締めよう」「この部分は代理コードに置き換えよう」といった次の一手が考えられます。ただ弾いた音を、意図を持って磨けます。
- 作成モードへ送って膨らませる:録音した進行を作成モードに送ると、OtoTheory AI が理論に沿った次のコードを提案してくれます。コードを置き換え・追加しながら、思いつきの数小節を一曲に育てられます。
- フレットボード機能で練習する:再生に合わせてコードのダイアグラムが切り替わり、押さえ方を見ながら弾けます。
- 書き出す:オーディオ(無料)・MIDI・PDF(Pro)に書き出せます。MIDI は DAW に持ち込んで、音色を差し替えたりアレンジを続けたりできます。
精度を上げるコツ
自分の演奏は、少しの準備で検出精度が大きく変わります。
- カウントインとテンポに合わせて弾く:拍が既知になり、小節割りが正確になります。
- しっかりした音量で録る:音が小さいとコードやビートを拾いにくくなります。マイクに近づき、はっきり弾きましょう。
- ソロで、コードをはっきり:単一の楽器でコードを明確に鳴らすほど当たります(弾き語りは声が混ざる分やや不利)。
- 複雑なコードは自分で仕上げる:土台のトライアド(3和音)は基本しっかり検出されます。add9 のようなテンションが反映しきれない箇所は、打ち直して仕上げれば大丈夫です。
よくある質問(FAQ)
弾き語りでも使えますか?使えます。ただし声とギターが混ざるほど、また自由なテンポで弾くほど、拍やコードはズレやすくなります。カウントインに合わせてコードをはっきり弾くと精度が上がります。ズレは拍タップ、コードは打ち直しで直せます。
コード以外も分かりますか?はい。コード名に加えて、曲のキー、各コードの度数と機能(トニック/サブドミナント/ドミナント)まで自動で分析されます。「なぜこの響きが良かったのか」が理論で見えます。
録音したコードを書き出せますか?はい。自分で録音した演奏の結果は、オーディオ(無料)・MIDI・PDF(Pro)に書き出せます。MIDI は DAW に持ち込めます。
音楽理論を知らなくても大丈夫ですか?大丈夫です。弾いた音からコード名・キー・度数が自動で付くので、「今の響きは何だったのか」を後から確認できます。弾ける人が、自分の演奏を通じて理論を知るきっかけになります。
無料で使えますか?録音・検出・分析・編集は無料枠で使えます。MIDI や PDF の書き出しなど一部は Pro 機能です。
iPhone・iPad で試す
録音でのコード検出は OtoTheory(iOS アプリ)の機能です。思いついたフレーズをその場で録って、コード・キー・理論に残しましょう。
関連ガイド
- コード検出(Get Chords)とは — 取り込み・録音の仕組みと使い方
- 曲のコードの調べ方 — 手持ちの曲からコードを出す
- 耳コピの科学 — 理論でコードを見つける考え方
📖 参照コンテンツ
この記事の作成にあたり、以下の情報源を参考にしました。(※公開前に最終確認・差し替え)
録音・コード検出の基礎* Recording Acoustic Guitar at Home – iZotope — 自宅録音で音量・マイク距離が音質に与える影響の裏付け
* Chord recognition basics – musictheory.net — コード・キー把握の基礎の裏付け
次のガイドでは「コード進行の作り方」を紹介します。

