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度数とは?(初級編)

音の"距離"を理解すると、再現と応用がしやすくなる

5min更新日 2025-10-25記事 2
> 度数=音と音の距離をあらわす単位。 > 音と音の関係を「どれくらい離れているか」で考えると、耳コピ・作曲・分析が一気に分かりやすくなります。

1) 音の距離を知ると、何が便利なの?

メロディやリフを耳で覚えるとき、私たちは無意識に「距離」を感じています。

「少し上がった」「だいぶ下がった」――その感覚を数字で表すのが度数です。

度数を知っていると、音の関係を数字で再現できるようになります。

音楽理論を"レシピ"に例えるなら、度数はその中の「大さじ」「小さじ」のようなもの。

誰もが同じ単位で話せるからこそ、同じ響きを再現できるようになります。

つまり、度数は音楽を共通言語として扱うための"計量スプーン"のような存在なのです。

* 耳コピ:音の動きを数字で記録できる。

* 作曲:上がる/下がる距離を設計して、狙った雰囲気を出せる。

* 楽曲分析:コード進行やメロディの"流れ"を数値で整理できる。

度数を理解することは、今後学ぶコード(和音)やスケール(音階)の理論を理解するための共通の基礎になります。

例えば、Cメジャーのコードの構成音はド・ミ・ソ、Eメジャーの構成音はミ・ソ♯・シです。じゃあDは?Aは?F♯は?と全部を覚えるのは大変ですが、度数で考えるととてもシンプルです。

メジャーコードはルート・3度・5度でできています。

ルートにCやF♯を当てはめれば、あとはルートから3度と5度離れた音を選ぶだけでメジャーコードの構成音になります。

つまり、度数を理解していれば、どんなキーでも理論的にすぐに構成音を導けるのです。


2) ドレミファソラシドと度数、ルートの考え方

Cメジャースケール(ドレミファソラシド)を例にして、度数と音の関係を見てみましょう。

ファ
度数1度(ルート)2度3度4度5度6度7度8度(1オクターブ上)

ここで大切なのは、ルート(基準となる音)を1度として数えること。

つまり「ド」がルートなら「レ」は2度上、「ミ」は3度上という関係になります。

🎶 音階上のルール(ここが半音!)

ドレミファソラシドの中で、音と音の間が半音になるのは次の2か所だけです👇

間の関係間隔度数の関係
3度(ミ)と4度(ファ)の間半音3 → 4
7度(シ)とルート(ド)の間半音7 → 1(次のオクターブ)

それ以外の音の間はすべて全音(1度)

この法則を覚えておくと、どのキーでもスケールやコードをルートからの距離(度数)で理解できるようになります。

🎸 ルートを変えるとどうなる?

ルートをCからDに変えると、音はすべて1音高くなります。

ルート1度2度3度4度5度6度7度
C(ド)基準ファ
D(レ)基準ファ♯ド♯

聞いた印象はほぼ同じですが、全体が1音高いだけ。

これは音の距離(度数)の関係が同じだからです。

ドレミファソラシドは、あくまで「ルートCを基準にしたスケールの形」であり、ルートを変えればキー(調)も変わります。


3) ギターにおける半音と全音

ギターでは、1フレット移動すると半音音が変わります。つまり、2フレット移動すると1音上がるということです。度数で言えば「1度」変わることになります。

この仕組みのおかげで、指板上でルート(基準となる音)を決めると、自然とどこに2度・3度の音があるのかが視覚的にわかります。

だからギターは、度数を可視化しやすい楽器といえるのです。


4) まとめ:度数は音楽の"共通単位"

* 度数=音の距離。耳コピ・作曲・アドリブ・分析すべての基礎。

* コードやスケールを音名でなく度数で把握すると、どんなキーでも仕組みを共通の基準で理解できるようになり、全体像がぐっと掴みやすくなります。

* ギターは度数を可視化しやすく、ルートの位置さえわかれば、どこに他の度数があるのかも一目で把握できます。

* 度数が分かると、音楽理論が一気に見通せるようになります。

> 次の記事では、この度数を使って音を重ねた「コード(和音)」について学びます。 > OtoTheoryのアプリでは、フレットボードやコード辞典など、色んなところで度数を把握できるようになっていて便利ですよ。試してみてください。