OtoTheory
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コードとは?

同時に鳴る音がつくる“雰囲気”と“流れ”を理解しよう

5min更新日 2025-10-30記事 3

コード=複数の音を同時に鳴らしたもの。曲の明るさ・切なさ・緊張感などの“空気”は、コードの組み合わせで決まります。


1) コードはなぜ大事なのか?

メロディが“主役”なら、コードはその背景。同じメロディでも、コードを変えると雰囲気がまるで違う曲になります。コードを理解すれば、「あの感じをもう一度出したい」というときに理論的に再現できるようになります。

例:〈Let It Be〉の C→G→Am→F は、“帰る場所”と“前に進む力”のバランスが心地よい進行。理論を知るとなぜ気持ちいいのかまで説明できます。


2) コードの基本構造 — 「三度を積み重ねる」

コードは三度(3rd)という“距離”を上に重ねて作るのが基本です。最小単位は ルート(1)+3度(3)+5度(5)。これを三和音(トライアド)と呼びます。

  • ルート→3度:メジャーなら長3度(4半音)/マイナーなら短3度(3半音)
  • ルート→5度:完全5度(7半音)(※一部のコードを除く)

この“度数で考える”習慣があれば、どのキーでも暗記に頼らずコードを導けます。


3) 三和音(トライアド)の種類

名称度数式構成音(Cを例に)印象
メジャー1–3–5C–E–G明るい/安定
マイナー1–♭3–5C–E♭–Gしっとり/内省的
ディミニッシュ1–♭3–♭5C–E♭–G♭不安/緊張感
オーグメント1–3–#5C–E–G#浮遊感/前進欲求

まずは メジャー/マイナーを確実に。残り2つは“色味”として耳で覚えるのがおすすめです。


4) 四和音(セブンス) — M7、7、m7 の超基本

三和音の上にさらに三度を1つ重ねると、四和音(セブンス)になります。入門でまず押さえるのは次の3種類:

名称度数式構成音(C例)音のキャラクター/使われ方
メジャーセブンス(M7)1–3–5–7C–E–G–B洗練・柔らかい。バラード/シティポップ/ジャズで多用
ドミナントセブンス(7)1–3–5–♭7C–E–G–B♭進行欲求・ブルース感。次のコードに強く進ませる力
マイナーセブンス(m7)1–♭3–5–♭7C–E♭–G–B♭落ち着き・R&B/ソウル感。II–V–Iなどで頻出

迷ったら耳で比較:M7=やさしく溶ける/7=ちょっとザラついて前へ/m7=スモーキーに落ち着く。


5) 3度が決める“明るさ”と、7度が決める“向かう力”

  • 3度 … メジャー/マイナーの感情の色を決める中心。
  • 7度 … そのコードが落ち着くのか/次へ行きたがるのかを左右。特に ♭7 を含むドミナント7は“進ませる力”が強い。

メロディの3度の使い方(上げ下げ)と、コードの3度/7度の置き方が合うと、歌心が前に出るのを感じられます。


6) コード進行(Chord Progression)とは?

1つのコードでも雰囲気は作れますが、音楽が動き出すのはコードが並ぶとき。コード進行は、曲の“流れ”や“物語”を作る設計図です。

例:

  • C–Am–F–G … 王道。安心感と切なさのバランス。
  • Dm–G–C … ジャズで定番(II–V–I)。7thを入れると“進む力”がはっきり聴こえる。
  • E–A–B–E … ロックの強い帰結感(パワーコードでも成立)。

これらの関係は「ダイアトニック」の章で体系的に学べます。


7) アプリで体験しよう

OtoTheory では、耳で確かめながら理論を体に落とし込めます。

  • コードカードをタップして響きを確認(メジャー⇄マイナーの違い、M7/7/m7の違い)。
  • 並べ替えて進行を比較、II–V–Iなどの“向かう力”を体感。
  • 7th・9th を足して色味を変える。
  • 気に入った進行は My進行 に保存。

8) まとめ

  • コードは三度を積み重ねる発想で作る。まずは 1–3–5(三和音)。
  • 三和音:メジャー/マイナー(+色味として dim/aug)。
  • 四和音:M7/7/m7 が基礎。3度は“色”、7度は“進む力”を担う。
  • 進行は物語。II–V–I など“向かう力”を意識すると整理しやすい。
  • アプリで聴く→並べる→保存を繰り返し、感覚と理論を結びつけよう。