1) なぜスケールを知るとアドリブができるのか?
ギターを弾いていて、「この音で自由に弾けたら...」と思ったことはありませんか?
スケールを知れば、"外さない"アドリブの材料が手に入ります。
スケールは、そのキーで使える音を順番に並べたものです。この「音のパレット」を使えば、コード進行に合うメロディやアドリブが自然に作れます。
例:Cメジャーの曲なら、Cメジャースケール(ドレミファソラシ)の音を使えば、どのコード上でも響きが合います。
これを理解すると、理論的に「自由に弾く」ことができるようになります。
🎙️ ジョージ・ハリスンの"選択された音"
> "When you're improvising, you need to know which notes will work. That's where scales come in." > (アドリブをするときは、どの音が合うかが分からないといけない。それがスケールの役割だ。) > — George Harrison(複数のインタビューで言及)ビートルズのソロは、シンプルなのに効果的です。
例えば〈Something〉のソロは、Aメジャースケールを使った滑らかな流れ。音数は少ないのに、コード進行に完璧に溶け込んでいます。
スケールを知らなくても、彼らは感覚で"合う音"を選んでいましたが、理論で言葉にすると、それがスケールだと言えます。
2) スケール=アドリブの"材料箱"
レシピ本に野菜の写真が載っているように、スケールは「このキーで使える音のリスト」を教えてくれます。
* スケールの役割:どの音が合うかを一目で分かるようにする
* アドリブでの使い方:スケールの音だけを使って、自由にフレーズを作る
この「音の選択肢を限定する」ことが、アドリブで"外さない"ための鍵です。
3) 最初に覚える2つのスケール
アドリブ初心者は、この2つのスケールから始めましょう。
メジャースケール(Cメジャーを例に)
構成音:C-D-E-F-G-A-B-C 使い方:明るい曲、ポップス、フォーク、ロックなど例:〈Let It Be〉のメロディは、Cメジャースケールで作られています。
安定感があり、どこにでも使える万能スケールです。
ペンタトニックスケール(Aマイナーを例に)
構成音:A-C-D-E-G-A 特徴:5つの音だけで構成される 使い方:ロック、ブルース、ギターソロの定番例:ジミヘンドリックスやエリック・クラプトンのソロは、ほとんどがペンタトニックです。
音数が少ない=迷わない=速く弾けるという利点があります。4) スケールとキーの関係
スケールとキーは密接に結びついています。
* キー:曲の中心音(主音)を決める
* スケール:そのキーで使える音の順番
例:キーがCメジャーなら、Cメジャースケールが使える。
| キー | スケール | 使いやすい場面 |
|---|---|---|
| Cメジャー | Cメジャースケール | 明るい曲全般 |
| Aマイナー | Aマイナースケール、Aペンタトニック | バラード、ロック |
| Gメジャー | Gメジャースケール | カントリー、ポップス |
キーが分かれば、自動的に使えるスケールが決まります。
5) スケールを使ったアドリブの3ステップ
ステップ1:キーを特定する
「キーとは?」の記事で学んだ方法で、曲のキーを特定します。
例:「この曲はCメジャーだ」
ステップ2:スケールを選ぶ
キーに合わせてスケールを選びます。
例:Cメジャー → Cメジャースケール または Cペンタトニック
ステップ3:スケールの音だけを使って弾く
選んだスケールの音だけでフレーズを作ります。
重要:「スケールの音を使う」これだけで"外さない"アドリブができます。
6) スケールを知るとできること
メロディを作りやすくなる
スケールの音だけを使えば、コード進行に合うメロディが自然に作れます。
「この音でいいんだろうか...」という迷いがなくなります。
アドリブができるようになる
「どこを弾いたらいいか分からない」状態から脱出できます。
スケールの音を覚えれば、その音だけを使って自由にフレーズを作れます。
耳コピが速くなる
曲のスケールが分かれば、メロディの音を予測しやすくなります。
「ここはメジャースケールだから、この辺りの音がくるはず」と推測できます。
7) アプリで体験しよう
OtoTheoryでは、スケールを視覚的に学べます:
- スケール一覧:主要スケールを一覧で確認
- フレットボード表示:どの位置にスケールの音があるか視覚的に分かる
- コード進行と合わせる:キーとスケールの関係を実感
- メロディ作り:スケールの音だけを使ってメロディを作る
「音の地図」を手に入れて、自由に音楽を表現しましょう。
8) まとめ
- スケール=決められた音の順番並び。「音の地図」の役割。
- 2つの基本スケール:メジャースケール(明るい曲)、ペンタトニック(ロック/ブルース)。
- キーとセットで使う:キーが分かれば、使えるスケールが自動的に決まる。
- スケールを知ると:メロディ作り・アドリブ・耳コピがすべて楽になる。
スケールは「音のパレット」。このパレットを知れば、音楽制作がもっと自由になります。
次のステップ
- スケールとキーの詳しい関係を知りたい → 「キーとは?」
- コードとスケールの合わせ方を学びたい → 「ダイアトニックとは?」
- スケールの基礎となる音の距離を復習したい → 「度数とは?」

